効率よくエアリークを削減するには エアリークを可視化する音響カメラ


工場やビルなどの施設には、圧縮空気やガスの配管が多数設置されていますが、経年劣化や施工不良などによりエアリークが発生することがあります。エアリークは、エネルギーロスや二酸化炭素排出削減にインパクトのある要素の一つとして知られています。
エアリークを検知する方法には、目視検査や聴診器による聴音などが従来からある手法として知られていましたが、稼働中の生産ラインなど騒音下や騒音にかき消されてしまう音量のリークなどの検知は困難でした。
そこ近年注目を集めているのがエアリークを検知する産業用音響カメラです。エアリークにともなう超音波を検出することでエアリークや放電を可視化します。超音波の応用により従来の手法では検知が難しかったエアリークも、簡単に見つけ出せるようになりました。
本記事では、音響カメラの概要やメリット、選び方などを解説します。エアリーク検知にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

エアリークとは「空気漏れ」のことです。
工場やビルには、圧縮空気やガスなどの配管や、コンプレッサーが多数設置されています。これらの設備が劣化したり、施工不良を起こしたりすると、エアリークが発生することがあります。エアリークは、設備の稼働だけではなく、エネルギーコストにも悪影響を及ぼします。
米国エネルギー省は、圧縮空気ラインに直径3mmの漏れが1箇所あるだけで、年間最大2,500ドル(¥375,000@150円/$)のコストが余分にかかる可能性があることを指摘しました。エアリークを防ぐためには、設備の定期的な点検や清掃、適切なメンテナンスが欠かせません。
エアリークが起こりやすい箇所は以下のとおりです。
・配管
・遮断弁
・ホース
・バルブ
・パッキン
・コネクタ
・シリンダ
・フィルター
・ジョイント
・貯蔵タンク
・真空ライン
・カップリング
・コンプレッサー
たとえば、配管の接続部は、施工不良や振動や衝撃によって破損しやすいため、エアリークが起こりやすい箇所です。特に、曲がり部分や継ぎ目部分は注意しなければなりません。また、圧縮空気の配管でエアリークが発生しやすい箇所として、金属疲労部や溶接部も挙げられます。
エアリーク箇所では、人間の耳では聞き取れない40kHz付近の超音波が発生しているため、狭い場所や小さな場所のエアリークには気づけないこともあります。

配管やバルブ、コンプレッサーなどで発生するエアリークは、余分なエネルギーやコストを消費します。生産効率を向上させるためにも、早急に検知する必要があります。このような工場や設備のエアリークを簡単に検知できるのが、音響カメラです。「超音波カメラ」とも呼ばれています。
気体が小さい穴や隙間を通って高圧側から低圧側に移動する(気体のリークが発生する)と乱流が発生します。この乱流は、人間の耳では聞き取れない超音波を含んでいるのが特徴です。音響カメラは、超音波マイクロフォンでエアリークにともなう超音波を検出することでエアリークを検出できます。
音響カメラは、空気の流れを可視化することで、エアリークの場所や大きさを特定できます。
また、設備の異常が原因で発生するすべての超音波を捉えられるため、空気の漏れ以外にもさまざまなリスクの検出・検知が可能です。
具体的には、以下のようなリスクを見つけ出すのに役立ちます。
・電気障害
・部分放電
・コロナ放電
・圧縮ガスの漏れ
・ベアリング異常
・設備異常により発生する超音波
たとえば、高電圧電気システムからの部分放電も、電気を止めることなく絶縁劣化の検出・検知が可能です。このようなリスクを放置すると、設備劣化・老朽化による事故、余分なエネルギーコストや生産性低下につながります。リスクを低減し、安心安全な生産活動を行うためにも、日頃から音響カメラで点検することが大切です。

音響カメラを使用することで得られる主なメリットは、以下のとおりです。
・圧縮空気の漏れや部分放電を迅速に検出できる
・コストを削減できる
・容易に点検できる
・非破壊で検出できる
・設備機器の老朽化・劣化を防げる
ひとつずつ見ていきましょう。
騒音下においては人間の耳で聞き分けられない空気漏れや、目には見えない放電を、音響イメージングにより迅速に検出・可視化できます。
従来の方法では、目視や手で触って確認する方法が一般的でしたが、エアリークカメラを使えば目に見えないエア漏れでも素早く検出・検知することが可能です。

空圧機器への適切な空気圧を確保し、部分放電やコロナ放電を正確に検知できるため、光熱費を含むエネルギーコスト、機器の故障やダウンタイムを最小限に抑えられます。また、圧縮空気の漏れや放電の点検を迅速に行えることから、点検に割く人件費を削減できるでしょう。
小型かつ軽量なタイプの音響カメラであれば、エア漏れレベルや部分放電をリアルタイムに分類し、検出できます。「設定や操作が複雑で難しい」「複数人でなければ操作できない」などの心配がなく、優れた操作性で容易に点検できます。
配管やコンプレッサーといった工場や建物の設備で起こっているエア漏れのなかには、目には見えない場所や設備内部で起こっているものもあります。音響カメラは、それらの設備や機器を破壊せずに超音波を捉え、問題箇所を特定してエア漏れを検出・検知できます。
無害な空気であれば、エア漏れが起こっていても周囲に悪い影響は及びません。
しかし、配管やコンプレッサーといった設備・機器からのエアリークを放置すると、その設備・機器の老朽化・劣化が進み、余計なメンテナンス費用や設備交換に伴うコストがかかってしまいます。
音響カメラでエア漏れの発生箇所がないかを定期的に点検することで、建物や設備機器の老朽化・劣化を遅らせることが可能です。


音響カメラにはさまざまな種類があるため、どのカメラを選べばよいか迷う方も多いでしょう。
ここでは、音響カメラを選ぶときのポイントを3つ紹介します。
・片手操作できる
・検知マイクの数が多い
・簡単に操作できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
工場や建物の設備・機器を点検するときに両手が塞がっていると、「手すりをつかむ」「ヘルメットやメガネなど安全装置を調整する」といった行動ができません。片手操作(ハンドヘルド型)のカメラであれば、片手でカメラを持って点検しながら、もう片方の手で手すりをつかめるため安全です。
また、カメラに搭載されたタッチスクリーン上で、問題箇所や異常部位をフリーハンドでマーカーできるため、レポート作成の負担も大幅に軽減されます。
より小さなノイズを検知するためには、より多くの検知用マイクが必要です。
工場や建物の設備・機器の点検を行う際には、エアリークの音以外にも、雑音や作業音、機械騒音などが発生していることがほとんどです。
多くのマイクを備えたカメラであれば、あらゆる音の中からエアリークを検出でき、位置の特定や定量化に大きく貢献します。たとえば、124個のマイクを備えたカメラは、16.5kHzの漏れと18.5kHzの漏れの両方を拾えるほど高性能です。
簡単に操作できるエアリークカメラであれば、誰でも正確かつ簡単にエア漏れを検出・検知できます。
エアリークカメラを使用するために特別なトレーニングが必要だったり、マニュアルがないと操作できなかったりすると、多くの時間とコストがかかってしまいます。エアリークを早期に発見し、対策を講じるためには、最小限のトレーニングで使用・運用できる、操作性に優れたエアリークカメラを選ぶことが大切です。
「FLIR Si124音響カメラ」は、軽量性・操作性・性能に優れ、最小限のトレーニングで使用できるエアリークカメラです。
超音波検知用のマイクを124個搭載しているほか、生産活動に付随して発生するノイズを除去する機能も備えているため、騒音下でも正確に超音波を検知可能です。また、音響画像をデジタルカメラの画像上にリアルタイムに合成することで、音源を正確に示し、従来の方法よりも最大10倍速く問題を確認できます。これらの音響画像は、フィールド分析や高度なレポート作成にも役立ちます。
さらに、部分放電の検出では最大130m離れた遠距離 からも測定可能で、点検時間の短縮や作業効率の向上に効果的です。

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本記事では、音響カメラの概要やメリット、選び方などを解説しました。
超音波を利用して、エア漏れや部分放電などを可視化する音響カメラは、コスト削減や設備機器の老朽化対策、工場や建物に潜むリスクの低減に大きく役立ちます。
「工場内の設備点検を効率化したい」「正確かつ安全に設備機器の異常箇所を検出・検知したい」という方は、音響カメラの利用をぜひご検討ください。
そのほか、音響カメラに関するお困りごとや、部分放電・コロナ放電などに課題をお持ちの場合は、お気軽にFLIRまでお問い合わせください。