QOGIの効率性が重要な理由:よりスマートな測定を通じてLDARプログラムを改善

本記事は、定量的OGI(QOGI)を漏れ検出・修理(LDAR)計画に追加することが、効率性と安全性の向上、コンプライアンスの強化、メタン監視プログラムの最適化に不可欠である理由を取り上げる連載の第1回です。

漏れ検出・修理(LDAR)プログラムは、もはや単なる規制要件ではありません。これらは、石油・ガス施設や産業施設にとって、操業に不可欠な中核業務です。メタン規制が厳格化され、排出報告のデータ活用が進む中、事業者には同じリソースまたはより少ないリソースで、より多くの業務をこなすことが求められています。そのため、従来のLDARワークフローには、測定品質を犠牲にすることなく、より速く、より安全で、より効率的になることが求められています。

定量的光学ガスイメージング(QOGI)は、この課題に対処するための最も実用的なツールの一つとして注目されています。QOGIを使用すると、現場でガス漏れを検出すると同時に、その規模を推定できるため、検査の計画、優先順位付け、実施方法が根本から変わります。その結果、コンプライアンスだけでなく、効率性も大幅に向上したLDARプログラムが実現します。

従来型LDARにおける効率上の課題

従来のLDARプログラムは、主にEPA Method 21を使用し、機器を構成する各部品を1つずつ検査することを前提に設計されていました。この方法は、個々のポイントで漏れを確認するうえでは有効ですが、次のような非効率性があります。

  • すべてのバルブ、フランジ、コネクターに物理的にアクセスする必要がある
  • 技術者が、危険なガスが排出されている可能性のある場所の近くで作業しなければならない
  • 大規模な施設では、全体の検査に数日から数週間かかる場合がある
  • 結果からは、状況がわからない(漏れはわかるが、その重大度はわからない)場合が多い

施設の規模が拡大し、規制の対象となるインフラが拡大するにつれて、こうした非効率性はさらに悪化します。その代償として、労働時間だけでなく、修理の遅れ、大規模な漏れの見逃し、検査疲れなどによって、LDARの有効性が損なわれる可能性もあります。

光学ガスイメージング(OGI)は、検査担当者が設備全体を迅速にスキャンし、ガスプルームを目視で特定できるため、この状況が改善されました。QOGIは、この基盤をさらに発展させたものです。

OGIカメラを使用したLDAR

定量的光学ガスイメージングとは何ですか?

定量的光学ガスイメージング(QOGI)は、赤外線によるガスの可視化と物理学に基づく定量化モデルを組み合わせ、映像データから直接ガスの排出率を推定します。簡単に言えば、QOGIは次の二つの質問に一度で答えます。

  • 漏れの箇所はどこですか?
  • 放出されているガスの量はどれぐらいですか?

QOGIは、既定の排出係数に基づいて推定するのではなく、部品別、施設別、または操業全体について詳細な測定結果を提示できます。これにより、QOGIなどの先進技術を活用し排出管理に積極的に取り組む事業者は、同業他社と比較して有利な立場に立てます。

査読付き放出制御試験では、最新のQOGIシステムが現場条件下でも実用的な精度でメタン排出を定量化できること、特にLDARの優先順位付けで重要となる規模の漏れに対して有効であることが示されています。

ガス採掘場所の画像

QOGIによるLDARワークフローの効率向上

1. より迅速に施設全体を検査

OGIにより、検査官は、部品を一つずつ検査するのではなく、広範囲の装置を数分で調査できます。コンプレッサースキッド、処理装置、タンクファーム全体を迅速にスキャンできるため、現場での作業時間を大幅に短縮できます。 OGIカメラで漏れを迅速に特定した後、QOGI技術により、これらの排出を効率的に測定できます。 

ポイントサンプリングツールとは異なり、QOGIでは漏れが発生している可能性のある場所を事前に把握しておく必要がありません。そのため、LDARチームは、排出が予想される場所ではなく、実際に排出が発生している場所に作業を集中できます。

EPAが支援する現場調査では、光学ガスイメージングを利用するプログラムは、従来のアプローチよりも早期に重大な漏れを特定できることが多く、施設の耐用期間全体で検査時間を短縮できることが示されています。

2. 漏れの優先順位を即座に判断

すべての漏れが同じとは限りません。従来のLDARでは、小規模な漏出と大規模な放出のどちらも検出閾値を超えるため、当初は同じ優先度で扱われる場合があります。

QOGIの場合:

  • 規模の大きい漏れを強調表示して記録 
  • 推定排出率により、状況を即座に把握
  • 影響度に基づいて修理対応の優先順位を決定

QOGIシステムの管理試験では定量化された測定値の約75%は、実際の排出率に対して3分の1~3倍の範囲内に収まり、検査中に影響の大きい漏れと小さい漏れを区別するのに十分であることが示されています。 

これにより、次のことが可能になります。

  • 最も大きな問題から修理
  • 保守要員をより効率的に配置
  • 総排出量をより早期に削減

3. フォローアップ測定の必要性を低減

多くのLDARプログラムでは、漏れの発見は最初のステップにすぎません。濃度の測定や排出量の推定には、追加のツールが必要になることが多く、時間と複雑さが増します。

QOGIでは、1回の測定で検査データと推定データを取得できるため、この必要性が低減します。特定の規制閾値については確認ツールが引き続き必要になる場合がありますが、QOGIを使用すれば、技術者が同じ装置に再度立ち戻る頻度を大幅に減らせます。

管理された試験施設で実施された研究では、複数の動画観測値を平均化するとQOGI定量化が向上することが示されており、これは一回限りの測定手法ではなく、効率的なスクリーニングおよび優先順位付けツールとして有効であることを裏付けています。 

4. より安全で生産性の高い検査

効率性は安全性と密接に結びついています。QOGIを使用すると、検査担当者は以下の条件で作業できます。

  • 対象からより離れた場所
  • 閉鎖空間の外部
  • 足場や高所構造物に上らない場所
  • 他の技術ではアクセスできない漏れの測定

遠隔検査機能により、検査担当者は操業上の危険にさらされる機会を減らしつつ、1回のシフトでより多くの作業範囲を検査できます。長期的に、LDARチームの生産性向上とリスク低減につながります。

QOGIサーマル

新しい規制の下で効率がさらに重要になる理由

規制プログラムでは、単に監視を実施した証拠だけでなく、排出の早期特定と正確な特性評価がますます重視されています。

米国では、EPAの温室効果ガス報告プログラムサブパートWにより、対象となる石油・ガス施設では、所定の方法と裏付けデータを使用してメタン排出を報告することが義務付けられています。最近の改訂では、実測に基づく測定値と透明性の向上が重視されています。

同時に、EPA OOOObおよびOOOc規則により、LDAR要件が新規および既存の排出源にまで拡大されています。コンプライアンス義務に対応するには、より迅速でスマートな検査が必要です。

現在、米国ではQOGIだけで規制上の測定手法を直接代替することはできませんが、以下の方法でこれらのプログラムを支援しています。

  • 検出効率の向上
  • 検証可能な排出状況情報の生成
  • 一般的な排出係数への依存を低減

欧州連合など、世界の他の地域では、QOGIは規制に準拠するための排出測定で中心的な役割を果たし、より効率的かつ効果的な測定を可能にしています。 

効率性を支える科学

QOGIの効率向上は、手順の省略ではなく、物理学に基づいています。

  • 赤外線吸収により、メタンなどの炭化水素ガスを適切な背景に対して明瞭に表示
  • 放射伝達モデルにより、ピクセル強度をプルーム濃度に変換
  • オプティカル・フロー・アルゴリズムにより、フレーム間のガスの動きを推定
  • 制御放出バリデーションにより、既知の条件下での性能を確認

大学主導の独立評価では、風速や熱コントラストなどの環境要因が精度に影響することが示されています。このことは、単一の測定結果に過度に依存するのではなく、訓練を受けたオペレーターによる適切な運用が重要であることを裏付けています。

QOGIを設計どおりに使用すれば、効率的なLDARプログラムに必要な実用的な知見を迅速に得られます。

QOGIサーマル

信頼性を犠牲にしない効率性

排出測定における主な懸念の1つは、迅速化によって信頼性が損なわれないかという点です。QOGIに関する査読付き文献の蓄積から、このようなトレードオフは必ずしも必要ではないことが示唆されています。

学術機関や研究機関によって実施された複数の独立した研究では、管理されたブラインド条件下でQOGIシステムを評価し、その長所と限界の両方を明らかにしています。このレベルの精査は、事業者が規制対象の環境内で新しい技術を採用する際に重要です。

効率性が最も重要なのは、より迅速な意思決定だけでなく、より良い意思決定を可能にするときです。これにより損失を削減でき、ROIにもプラスの効果をもたらす可能性があります。 

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今後の展望

LDARプログラムが漏れ検出と定量化(LDAQ)へと進化するにつれて、効率は完了した検査の数ではなく、削減できた排出量で評価されるようになります。

定量的光学ガスイメージングは、適切な工学的判断や確かな保守慣行に取って代わるものではありません。その代わりに、ワークフローを改善し、検査チームがより迅速かつ安全に作業し、最も大きな効果が得られる箇所に注力できるようにします。

このシリーズの次の記事では、QOGIコンプライアンスが重要な理由と、定量化によって排出量報告と規制当局からの信頼がどのように強化されるかを説明します。

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